世界史の大河と日本
日本で初めて開催されたG20が無事に閉幕した。メディア的には米中の貿易協議の行方や、多分にパフォーマンス的な板門店で行われた米朝会談が注目を集めたが、「癖の強い」各国のリーダー達を受け止め、安倍首相がホスト国のリーダーとして主導権を発揮しえたことは、日本の存在感をさらに高めつつ、成功裏に終えたこととして十分評価に値するものと思う。 G20は2008年のリーマン・ショック時の世界金融危機の深刻化を受けて、20か国・地域首脳会合(G20 Summit)として開催されたのがその始まりである。それまでのG7ではこの難局に立ち向かえないとして、世界のGDPの90%・貿易総額の80%を占め、加盟国の総人口は世界の3分の2を占める国々にまで参加国を広げ、金融サミットとして始まったものである。今回のG20では招待国・国際機関を含めると37ヶ国の要人が一堂に会し、世界経済、貿易・投資、エネルギー、デジタルデータ、環境対策、雇用等の幅広い議論を行う公式の場となった。 しかし、参加国が増えれば増えるほど、議論百出で全会一致という形に持っていくことはなかなかできるものではない。G20 における首脳宣言は、全会...