米中対立の狭間で揺れる日本の行方
ほぼ3年前に「日本の立ち位置」というタイトルで埋没していく日本の姿をブログで書きました。 今回はちょっと異なる観点から米中対立の狭間で日本はどう生き抜いていけばいいのか論じてみたいと思います。 アメリカのペロシ下院議長が8月3日台湾を訪問し、蔡英文総統と会談して台湾との連帯を強調しました。ペロシ議長は大統領権限を継承する順位が副大統領に次ぐ2位の要職で、アメリカの現職の下院議長が台湾を訪問するのは1997年のギングリッチ氏以来25年ぶりだそうですから、異例の訪台と言っていいでしょう。1997年当時のギングリッチ氏(共和党)は、アメリカが1979年に台湾と断交して以来、アメリカ下院議長として初めて台湾を訪れ、李登輝総統などと会談しました。ギングリッチ氏は「中国が武力によって台湾を統一しようとすれば、アメリカはあらゆる手段で台湾を防衛する」などと述べ、中国側は「内政干渉だ」として強く反発しています。25年前の再現ですから、25年間台湾をめぐる米中の対立の基本構造は変わっていないということです。今回もペロシ氏の訪台を阻止しようと、中国から事前の口撃や牽制がありましたが、それを跳ね返す形でペロ...