記憶を遡れば2019年12月30日に原因不明の肺炎について李文亮眼科医(1月3日訓戒処分、2月7日新型コロナ肺炎で死去、3月5日政府より表彰)がWeChatに画像として投稿し、翌日WHOへ最初の報告が行われてから1年半、我々はかなり長いこと新型コロナと付き合い続けてきている。事の始まりは同年11月22日に中国湖北省武漢市で「原因不明のウイルス性肺炎」として最初の症例が確認されていたが、武漢警察が「虚偽情報」として隠蔽、武漢を都市封鎖したのは1月23日。しかし、時すでに遅し5000万人が武漢を離れて各地に散ってしまった後であった。中国全土で見れば春節時に延べ30億人の大移動が世界中を駆け巡っていた。テドロスWHO事務局長がパンデミック宣言したのは3月11日であるから、日本を含めた国連盲従国(United Nationsを国連と訳したのは、誤訳か意図的か、紛れもなく戦勝国連合が正訳)は2か月以上ウイルス入国を野放しにしてきたことになる。日本政府は変わり映えのしない国内の感染予防対策(三密回避、マスク着用、緊急事態宣言による営業自粛、リモートワーク推進など)を声高に訴え続けているが、その効果を簡潔に説明することはないので、都知事もひたすら我慢してくださいという懇願モード。それどころか毎月数万人規模の入国者が継続的に受け入れられていることを知る人は少ない。そしてその状況は今もって変わっていない。ウガンダからのオリンピック選手が陽性であるにも関わらず市中に解き放ち、一昨日には別の陽性ウガンダ選手は選手村から失踪しているという。水際対策が全く穴だらけである一方で、効果の真偽が不明な対策を延々と続けて、経済的損失を増大させている。コロナ関連補正予算を3次に渡って総額76兆円成立させながら、30兆円は予算消化できておらず、予算消化した施策の効果がどれほどだったかすらの説明もされない。武漢ウイルスはCOVID-19と名称を変え、変異したインド株はデルタ株と名称を変え、ウイルスの発生地、発生原因を特定させない勢力の仕業としか思えない決定が国連において次々と起こっている。
初期段階ではアジアでの感染率が低く、Factor-Xと不思議がられていた新型コロナウイルスであるが、変異を続けるウイルスに、当初ウイルス対策の優等生国とされた台湾・シンガポール・ニュージーランドも感染拡大に侵される事態となっている。ちょうど100年前に流行したスペイン風邪(第一次世界大戦時だったため、当事国は情報統制。中立国だったスペインでの流行が大きく報じられたことによりスペイン風邪と呼ばれたが、前述の論理からするとこれこそ名称を変えてあげなければスペインが可哀そう)は終息するのに2年を要したが、ウイルスも早期に特定し、ワクチンも開発し、100年前より病床環境も優れ、医療技術の発達した現代においてそれ以上の年月がかかるとすれば、政治の無策を責められても仕方がない。専門家と称する分科会の提言の役割と総合的に決断するべき政府との役割が不明確で責任の所在もはっきりしない。スペイン風邪は欧米の大流行から遅れること4か月後に日本でも本格的に流行し、3週間で全国に広まったという。1年後には「後流行」が徴兵された新兵の入営日を発火点に爆発的に広がることとなる。まさに密閉・密集・密接環境が感染拡大を引き起こす証左であった。スペイン風邪上陸直後の前流行では国民の4割が感染し、死亡率は1.22%。後流行の感染は前流行の1/10に激減したが、死亡率は5.29%と4倍に跳ね上がってしまった。後流行までに多くの国民が免疫を獲得したためであろうと結論付けられている。昨年の日本でのコロナ関連死者は3414人と例年のインフルエンザと同程度であったが、今年に入って死者数は半年で11000人を超えている。新型コロナ感染は現在第4波とされているが、相変わらず感染者数に一喜一憂しているし、相変わらず人流が増えたとかテレビで報道しているが、肝心なのは重症者数や死亡者数のはず。それを抑えるために病床を確保し、看護師を確保する努力をしているはずであろう。であれば、そういったデータをしっかり示し、その上で国民への協力(あれもこれもの総花的ではなく、何が本当に医療崩壊を防ぎ、死亡者を抑制できる方策なのか)を呼び掛けるべきである。ちなみに過去1年で重症者数は6倍に増えているが、病床は2倍にしか増えていない。これは何故か? 今年の死者数増加と何らかの関係がないのか? 数か月前まではワクチンが救世主といって、高齢者を優先的にワクチン接種に誘導してきたのだから、ワクチン接種した国民が出歩いても良いだろうと思うのは至極当然で、人流が減らないのはけしからん的報道は如何なものか。変異株が猛威を奮い始めているので、これまでのルールを守ってくださいと言われても1年半のコロナ疲れは癒されはしない。ルールがコロコロ変わる風紀委員のような所業にしか見えない。
ワクチン接種に関して一言。ワクチンを早く打ちたい人、できれば打ちたくない人、様々であろう。アメリカではワクチン接種に高額の宝くじを絡めたり、大麻が合法なカリフォルニアではワクチン接種者に大麻を渡すなどの奇策が講じられているが、効果はなかなか出ていないようである。日本ではこのような「下品」な仕掛けはやらないし、受け入れない。日本で職域接種が始まってからは、日本特有とも言える強い同調圧力がかかり、「まだ、打ってないの?」とプレッシャーを掛けられて困っている人がいると聞く。河野ワクチン担当大臣はブログやテレビでワクチン接種宣伝に一所懸命である。それは担当大臣の務めであるから何も問題はない。しかし、ワクチンを接種するか否かは個人の判断である。医療行為の三条件というものがある。①治療を目的としていること、②承認された方法で行われていること、③患者本人の承諾があること、この3つである。ワクチン接種はそもそも治療を目的としているのか? ワクチン接種は感染防止には役に立たない。感染しても抗体による免疫反応によって発症しないということであるから、厳密には治療行為と言えない。健康な人に注射を打つのだから、しいて言えば予防医療行為であろう。ファイザーやモデルナのワクチンは承認されているのか? 両社の製品ともmRNAタイプで初めて緊急承認されたワクチンである。mRNAワクチンは40年以上の研究がなされていると聞いたが、過去一度も許可が下りなかった。ヒト細胞に対しスパイク蛋白質を作るように指示を出す「設計図」を注入するというこれまでのワクチンとは違うタイプのものである。安全性は高いと喧伝されている一方で、国内医師450人がワクチン接種中止を求めて嘆願書を提出している。大手メディアではほとんど報道されていないが、サンスポが6月24日に報道している。代表者曰く「死亡率が非常に低く、感染者の8割が軽症であるにも関わらず、安全性もまだわかっていない遺伝子ワクチンを国民全員に接種させる必要性があるのか疑問。治験が終わっていない。接種後に少なくとも356人が亡くなっている」というのがその理由。将来自分で作ったスパイク蛋白質による過免疫の恐れを指摘する医師もいる。実際、各社のmRNAワクチンは緊急使用許可であり、今後も治験は継続される。患者本人の承諾は言わずもがなだが、発症していなければ「患者」でもない。自分自身で調べて納得してワクチン接種するか否かを決めてほしい、自分の体なのだから。ワクチン接種のメリット・デメリットは各人違うことをまず最初に認識すべきことである。私の子供時代には学校で全員が集団予防接種(インフルエンザなど)を受けた。しかし後年、副反応が問題視され1987年には保護者の同意が必要となり、1994年には任意接種に切り替わっている。
以上、医療行為の要件である三条件を満たしているとは言えないmRNAワクチン接種であるが、医療行為の三条件には但し書きがある「三条件を満たさない例外的医療行為として、以下のようなものがある」。例外的医療行為として認められているもののうち「実験的治療行為」や「緊急時の医療」に該当するのかもしれない。前者はやはり「治療」とあるので、健康な人に注射を打つ正当性は認められない。人体実験と読み替えることも可能である。後者が辛うじて理屈が付くような感じである。社会的予防医療行為とでも呼ぶべきワクチン接種に難癖をつけるつもりは毛頭ないが、同調圧力に屈することなく、各人が各人の状況を鑑みて最終的に判断するところだけは文字通り「死守」してほしいと強く思う。
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